【SANO】オートファジーでノーベル賞受賞

今年のノーベル生理学・医学賞受賞者はなんと日本人!これで日本人のノーベル賞受賞者は3年連続ということになる。本当に日本人として喜ばしいことだ!時たまびっくりするぐらいのスキャンダルもあるが、こういったニュースは日本の研究界に希望を与え、日本の国民に理学の研究のことを知ってもらえるいいチャンスになる。

大隅良典教授の受賞が決定した日にはラインニュースで速報が入ってきたり、夜のニュースでは大盛り上がり。しまいには教授の奥さんまで記者会見に引っ張り出されていた。正直、これは日本でしか見ない光景だなと思った。海外で、研究とは関係ない親、家族が記者会見のような正式な場に出ることはない。

でも、大隅教授の研究テーマであるオートファジーとはなんなんだ?との声もちらほら聞く。今日は私なりに少し説明をしてみようかと思う。

まず、Autophagy(オートファジー)は、autoとphagyという言葉がつながって作られた言葉。Autoは「自己」、Phagyは「〜を食べる」。だから、「自己で食べる、分解する」ということ。

私達の体は細胞で出来ている。でも、もっと詳しくいうと私たちはタンパク質で出来ている。細胞もタンパク質で出来ている。そしてそのタンパク質を作っているのがアミノ酸というもの。アミノ酸は約20種類存在する。イメージでいうとアミノ酸はビーズ。20色のビーズがあり、それを糸に通して一本の長ーい序列ができる。これが色々な形になって我々の体のタンパク質として働いている感じ。

私達人間や動物の細胞は本当に繊細でうまーく出来ている。無駄なものはほとんどなく、何か一つでも欠けてしまったら通常の機能を果たさない。
例えば、鎌状赤血球症という病気がある。これは酸素を運ぶ赤血球の形が通常の両面中央が凹んだ円盤状ではなく、鎌のように尖ったり、薄くなったりしてしまう遺伝性の病気。赤血球が変形してしまうということは、どういうことなのか?通常、赤血球は凹んだ部分に酸素をおいて、体中に酸素を供給する役目を果たす。でも、この赤血球が通常のかたちでなくなった場合は、酸素をうまく運べなくなる。ということは、この遺伝子を持っている人は酸素運搬機能が低下して貧血症になる。(注:もちろん、ホモ接合型やらヘテロ接合型とかヘモグロビンというものが関係してくるので、これはものすご~くシンプルな説明)
でも鎌状赤血球症の患者の遺伝子と普通の遺伝子を比べるとなんと違いは一箇所だけだった。この赤血球を作っているアミノ酸の序列を比べると、一個のアミノ酸が違った。通常であれば、6番目にグルタミン酸というアミノ酸がある場所が、バリンというアミノ酸に変わっている。何百個も、何千個もつながっているアミノ酸のたった一箇所、この6番目のアミノ酸が変わるだけで赤血球のかたちも全く異なる。
この簡単すぎる説明でどこまで人間の体がすごいものなのかを分かってもらえたかは分からないが、本当にすごいの!!

 

でも、こうしてほとんど無駄なものがない我々の細胞。だから、余計なものもほとんどない。細胞は少し壊れてしまったら修復して直したり、もう機能しなくなったら分解してかなければいけない。この際に、分解して全て処分すると思ったら大間違い!実は我々の細胞は、リサイクルも行っているのだ。だから、大きなタンパク質(ビーズの列)を分解して、アミノ酸一個一個にしていったり、複雑な形の糖分を分解してシンプルなものにしてまた再利用したりする。この細胞が自らのタンパク質を分解する仕組みをオートファジーという。

でもオートファジー、オートファジーと言ってもいくつか違ったメカニズムがあって、大きなタンパク質を分解するとき(マクロオートファジー)や、異常なタンパク質をリソソームという細胞小器官に取り込んで分解するメカニズム(ミクロオートファジー)、そしてシャペロン介在性オートファジーというようなものもある。

 

大隅教授のチームはこの仕組を解明し、今年ノーベル賞の受賞が決まった。

ふーん。オートファジーで細胞内でタンパク質を分解してリサイクルするんだーと納得している場合ではない!この研究で、更にガン研究、パーキンソン病研究、アルツハイマー病研究などの研究のドアも多く開いた。オートファジーのメカニズムが解明されたことで、今後細胞が自らのタンパク質を分解するというメカニズムを使った病気の治療法なんかも出てくるかもしれない。

例えば、ガン細胞にオートファジーで細胞内のタンパク質を分解するうようにプログラミングできたら?するとがん細胞はプラグラミングされたタンパク質を分解して、そのタンパク質によってはがん細胞が生存不可能になり消えるかもしれない。まだまだ先の話かもしれないが、これらの研究分野に新たな希望を与えたのには間違いない。

 

ちょっと自分の興味分野ということで、エキサイトしてしまった。
でも今回この受賞の発表がありすごく嬉しく、私も頑張らなければ!と勇気ももらった。

オートファジー・・・これからも大注目の研究分野になりそうだ!

Published by Sano/Ami

Aspiring doctor || Biology major || pasta-phanatic

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